JAZZ講師

  辛島文雄




18年ほど前だったと思います。
ショールームをオープンして間もない頃で、
昼夜の別なくがむしゃらに働いていた時期でした。
調律の仕事が終わり、久しぶりに空き時間ができたので、
ふらっと一人、吉祥寺のライブハウス「サムタイム」に立ち寄りました。
たまたまその日に出演されていたのが、辛島文雄さんでした。

「こんなカッコイイJAZZってあるのか」
瞬く間に、その底知れないカッコ良さの虜になりました。

3ステージ最後まで聴いて一旦お店を出たのですが、
ただならぬ興奮と感激に満たされ、
居ても立っても居られずライブハウスへ引き返しました。

そこにまだ居られた辛島さんをつかまえて、唐突にお願いしました。
「僕のピアノショップで弾いてもらえませんか」
それが、辛島文雄さんとの出会いでした。

その後、彼のソロによるクリスマスジャズコンサートは 私のピアノ店で毎年恒例のイベントとなり、
そのうち録音やコンサート等、様々なお仕事でもご一緒させて頂けるようになりました。
ついには、私の運営するリシュモア音楽教室のジャズ講師まで引き受けてくださいました。

世界的な活躍をしてこられたにも関わらず、
辛島文雄さんは"今の自分の演奏”に満足されることなく、
常に新しい音楽を求めて進化し続けられていました。
終わりなきジャズというものを通しての、真の芸術家でした。

もともと私にとってのジャズは、流し聴きをして脳をリラックスさせるための音楽でした。
けれども、彼の音楽だけは何かが違いました。
いつも聴き込んでしまいました。

いつしか、彼のジャズでしか得られないものがあることに気付きました。
彼の音楽には、生きるエネルギーの原動力があったのです。
それはクラシックを聴いて得られる感動、
すなわち聖なるものや天に近づいたような感覚とは異なり、
現にこの地上で、ポジティブに、アグレッシブに生きる勇気を湧き起し、
何かに立ち向かうための能動的なエネルギーを燃え立たせる、強力なエネルギーです。

クラシックやジャズという垣根を越えた本物の芸術家としてだけでなく、
辛島文雄という人間に身近で触れさせて頂いたことは、私の人生の宝です。

彼が遺してくれた珠玉の録音の数々は、
これからも世々限りなく、世界中の人々に愛され続けることと思います。
辛島文雄さんでしか成し得ない唯一無二の芸術、
そしてカッコイイ生き方に、心からの敬意を表します。

辛島文雄さん、ありがとうございました。

2017年4月29日
有限会社ピアノクリニックヨコヤマ 代表
横山ぺテロ



 辛島文雄

 1948年、大分県生まれ。
 1978年のエルビン・ジョーンズ(Ds)との共演を機に、1980年から6年間にわたってエルビン・ジョーンズ=ジャズマシーンに参加し、アメリカ、ヨーロッパを中心とした世界各国のジャズシーンに登場、これにより国際的ピアニストとしての地位を築く。

 これまで26枚のリーダー・アルバムを発表。最近ではジャック・ディジョネット(Ds)との共演による「グレイト・タイム」やイタリアの最高級ピアノとして名高いファッツオリを使用したスタンダード・ソロ「ムーン・リヴァー」やエルビン・ジョーンズをトリビュートした「E. J. ブルース 辛島文雄 meets 森山威男」をリリースしている。
 エルビン・ジョーンズ(Ds)、トニー・ウイリアムス(Ds)、ジャック・ディジョネット(Ds)の三大ドラマーとの共演歴を持ち、彼らとの共演を収めたそれぞれの作品を残している。
 第31回(2005年度)南里文雄賞を受賞。
 日本を代表するジャズピアニストの1人である。

〜辛島先生からのメッセージ〜
 大切なのはあなたがあなたである事。ですから「こう演奏しなさい」と教えることは致しません。けれども、あなたが理想とする演奏に近づくために、あなたが知りたいことに対しては100%お応え出来ます。毎回のレッスンが、私とあなたとのセッションだと思っています。音楽の世界を広げたい方、一緒に音楽を楽しみたい方は、是非レッスンにお越し下さい。

 リシュモア音楽教室 JAZZクラス開校に向けての特別講義「辛島文雄のJAZZ入門」の様子はこちらです♪
 辛島文雄のJAZZ入門講義のご報告♪(2011年5月5日・21日ブログより)


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